15年越しで手に入れた、金色の銀チューバ

日本で普通に売られている輸入金管楽器、特にチューバの生産国といえば、ドイツ、アメリカ、イギリスあたりが有名どころで、チェコ、フランス、スイス、イタリアあたりまででかなり珍しいメーカーもカバーできてしまいます。人の行く裏に道あり花の山、ふだん噂にすらのぼることのないロシア製に、素晴らしい楽器があるのをご存じですか? その名もDie Tuba。ロシア製なのにドイツ語なのは、販売元がドイツだからです。正式名称?は、St. Petersburg Tubaと、産地をそのまま付けただけの名前で、ひねりもなんにもありゃしない。

この楽器に関しては、すでにDie Tuba訪問記というサイトで紹介されています。訪問記の名が示す通り、サイトオーナー氏はフランクフルトの販売元までお出かけになり、十分な試奏の上で納得の1本をご購入されています。先輩に敬意を表してか単なる創造力の欠如か当ページの構成はDie Tuba訪問記にそこはかとなく影響を受けていますが、わたしの方はすべったり転んだりで中身はえらい違いです。

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News:ついに日本上陸! 販売代理店はセントラル楽器

2003/5/19…PIPERS6月号に「噂のロシア製テューバが日本上陸」という記事が掲載されました。St. Petersburg Tubaの現行モデルが横浜のセントラル楽器を代理店として国内発売を開始したというものです。このすばらしい楽器の実力を多くの人に知ってもらういい機会ができたことを喜びたいと思います。

気になる値段は、ケース別で499,000円。うーん、これはまあ妥当といっていいのでしょう。別売のケースは、あのスペイン製カスタムケースなのかどうなのか、ちょっと気になるところです。

Die Tubaがふたたび動きだしました!!

2002/3/21…St.Petersburg Tubaの輸入販売元であるDie Tubaが、ついに販売を再開しました。マルク表記ではなくなっているのが微妙に違うところです(笑)が、とにかく喜ばしいことです。ラッカー仕上げとニッケルシルバー仕上げ(これがホントの銀チューバ)が選べるそうです。入荷はまだのようで、しばらく目が離せんません。

2002/4/22…いよいよ入荷した今回のSt.Petersburg Tubaは、フルモデルチェンジを果たしてすっかり別物に(すくなくとも外見は)なってしまいました。流行?をだいぶ取り入れ、ぐっと(一般的な)商品価値を増した感じで、それにともなってお値段もケース込みで3000ユーロほど※(送料・日本の関税を除く)と、わずかにお高くなりました。それでも、日本で普通に買うよりはまだまだ安いですし、ベースがいいことは間違いないのですが(たぶん)、…わたしは最初バージョンのが買えてよかったと思いました。

更新された商品紹介のページは写真満載で一見の価値があります。この中の写真で、楽器にささってるマウスピース(まさか新しい付属品?)は一見バックのようですが、どうなんでしょうか。

(2002/5/21訂正)※当初「税込み3400ユーロ」と記載していましたが、これはEU域内での売買にかかる付加価値税(VAT)16%を含んだ価格で、輸入時には課税されません(そのかわり、関税がかかるわけですが)。

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修理完了

2002/4/27…購入当初から少々気になっていた1番・4番ロータリーのビビりですが、購入1年を経過して洒落にならない状態になってきたので(まともに鳴るようになるまでに1年もかかったということか)、楽器店にオーバーホールに出しました。ホーニング(ロータリー部の再研磨)のやり過ぎで、バルブがケースの中で空鳴りしているのが原因だということで、1番と4番のロータリーに鍍金を厚く施すことで調整することになりました。ついでに、購入当初からあった大きなハンダのクラック(笑)をつけ直してもらって一件落着。心配していた鳴り具合の低下もなく、むしろ音に芯がはっきりつくいい感じになりました。最初は原因箇所がなかなか分からず、1か月ほどの長期入院となってしまいましたが結果オーライ、大成功です。

ロシア製に限らず、通販で(試奏せずに)楽器を買うのにはこうしたリスクがつきものです。わたし自身はこの楽器に大きな思い入れがあるのでまったく平気ですし、リスクをとってでも買ってみる価値はある、それだけの楽器であることを信じていますが、他の方にとってどうであるかは予想できません。以下をご覧になってこの楽器に興味を覚えられ、購入を検討される方にはその点をお含みいただき、ご自分の判断で決定されるようお願いします。

再修理(同じところ)

2003/3/9…だんだん楽器に慣れて(カメの進歩)くるにつれて、第2オクターブのG音、Ab音に少しビビリが出るようになってきました。4番はほぼ完璧に治っており、今回のもきついアタックの時に限られているので、原因は昨年と同じなのでしょう。1番だけもう一度鍍金をしてもらうことにしました。

去年、修理から帰ってきた時はまったくなくなっていたビビリが再現したということは、ちょっとずつは大きな音が出るようになっているということかしら。だとしたら嬉しいなあ。

2003/3/26…修理完了。再鍍金は行わず、ローターアライメントの補正で対応とのことでした。何をどうしたものか、ビビリはぴったりとおさまりました。

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