※これ以前のリンクは、切れていることが多いと思われます。あらかじめ承知おきください。
古い知り合い(中国人)から、結婚式の余興演奏の動画ファイルが送られてきました。譜面制作をやらされたのでその駄賃代わりということのようです。ところが映像は見られるのに肝心要の音が出ません。Matroska(.mkv)という比較的マイナーなコンテナに格納されており、当人によると中身は映像音声とも中国ではメジャーな Real フォーマットだということです。それなら .rm なり .rmvb なりで寄越せばいいものを、マニアの考えることはよく分かりません(聞いとるのかね!)。試行錯誤の末、次の手順でなんとかまともに動くファイルを手にしました。日頃この手の作業をしつけている方が見ればお笑い種かもしれません。
十分な練習をせず臨んだわりに演奏は立派なもので、(制作+再生でも)苦労した甲斐がありました。
コマンドキーによる持ち替えツールを入力ツールとして、cmd - shift キーを押下したままあらかじめ選択しておいた複数の段でクリックすると、直前にパーツボックスで選択した記号が複数段の同じ位置に挿入されるはずですが、この機能が使えません。パーツボックスからの shift - ドラッグは正常に機能します。
少しいじってみて気づいた点を掲げます。
選択範囲が点滅ではなく色が変わるようになりました。色は環境設定から好みに応じて変えることができます。機能強化というよりは単なる変更ですが、見やすくなったことは確かです。
音符の実際の音価を、スコアエディタ上でピアノロールのように表示(継続時間バー)することができるようになりました。
「表示」>「継続時間」から、表示しない、選択範囲のみ表示、すべて表示を選ぶことができます。ピアノロールと同様に、バーの終端をドラッグすることで音価を変更することもできます。ただし、変更の単位はナッジ値に固定です。ピアノロールエディタで可能な Ctrl-ドラッグ による微調整には対応していません。ナッジ値を変更するキーコマンドを併用すれば一応解決しますが、それならば以前から用意されている「選択した音符の長さをナッジ値だけ伸ばす/縮める」というキーコマンドとともに使えばキーボードから手を離す必要がありません。ピアノロールと同等の外見で同等の操作ができる以上、同等の結果が出せるようにしてもらいたいものです。
文句が先走りましたが、この機能は同じ段で複数声部を扱っているときに非常に便利であり、歓迎すべき新機能です。
強弱記号やクレシェンド、テキストなどのオブジェクトがどの拍位置にあるのかを示すガイドライン表示が可能になりました。地味ではありますが、これもなかなか嬉しい機能追加です。
「表示」>「ガイド」から、表示しない、ドラッグ中のみ表示、選択範囲で表示、すべて表示を選ぶことができます。ガイドは細い点線のため視認性にはやや問題があるようにも思われます。継続時間バーとガイド表示を常に決まった設定で表示するための環境設定項目は用意されていませんが、これらの設定はスクリーンセットに保存されるようですから、好みの設定を施したスクリーンセットを持つテンプレートを作っておけばよいことになります。
ギターの楽譜作成に便利なコードグリッド編集機能が追加されたことにともない、タブ譜専用のパーツボックスが新設されました。まだ使っていないのでよくわかりませんが、コードグリッド機能はなかなか強力そうです。
発表当初にスコア関連の新機能としてアップル社が宣伝していたのは最後のコードグリッド機能だけです。致し方ないことかもしれませんが、少数派の悲哀を感じます。
スクリーンセットを呼び出すキーコマンドを無効にしたい場合、単にキーコマンドを削除しただけではプロジェクトファイルを新たに開いたタイミングで削除が無効になってしまうことがあります。これは、スクリーンセット呼び出し機能に絶対使わない組み合わせのキーコマンド(すべての修飾キーを押すような)を登録しておくことによって回避可能です。数字キーに他の機能を割り当てただけではスクリーンセット呼び出しで上書きされてしまう場合があるようです。
Logic9 の WaveBurner〜いいたいほうだいだ
Logic Studio 9 に付属するCDマスタリングソフト Waveburner 1.6 で、新規書類を作ろうとすると拡張子 .wb3 のプロジェクトファイルではなくフォルダができてしまい、後から開くことができません。このフォルダは、プロジェクトファイルの内容(「パッケージの内容を表示」コマンドで見られる)がそのまま現れているようです。上記ページで紹介されているように、初期設定ファイルを捨てたのちセーフブート、再起動で難なく解決します。
同時にアップグレードされた Soundtrack Pro は、オーディオドラマの制作に役立つ機能などが強化されているようですが、単に波形編集ソフトとして使っているわたしのようなものにとっては、動作が重く不便になっただけでした。