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・本日のso-what?:2005年3月

※これ以前のリンクは、切れていることが多いと思われます。あらかじめ承知おきください。

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3/31/2005 わやくちゃ

奈緒
藤野ぉ!あんた…
雪之
藤野、さん…
静留
……、堪忍なぁ☆
舞-HiME 第26話「Shining☆Days」

例の反則技以降、なんでもありのご都合主義的展開のそのまた全弾斉射とでも言うべき勢い(なかったのは、カグツチ地獄ダッシャー反吐が出んのよカートリッジでいなくなっちゃえうおおおおおおどすえ、とかだけ)で、滅茶苦茶な結末になってしまいました。全弾命中のおかげでもはや起き上がる気力も残らないような状態ですが、1点だけ小さな疑問を呈して終わりたいと思います。HiMEの(HiMEのチャイルドの)力の大小は、結局のところどのように決まっていたのでしょうか。

第25話での黎人の舞衣に対する発言(2度まで想い人を亡くした今、はたしてカグツチが召喚に応えるか)、なつきのチャイルド復活(思い出したくもない光景でしたが)から、想い人への想いの強さがそのままチャイルドの力(と、サイズ)に反映する設定であるのはほぼ間違いないでしょう。そこで極端に力の強いチャイルドとして舞衣のカグツチ、命のミロク(便宜的にそう呼んでおきます。本当に強いのかどうかは定かではありませんが、あれほど巨大なのですからきっと強いのでしょう)、静留の清姫を想起してみると、どれもかなり複雑な事情を抱えた「想い」であることが共通点として浮かび上がってきます。

詩帆(や、あかね)の少女らしい真っすぐな恋愛感情よりも、雪之が10年以上も胸に抱いてきた幼なじみへの憧れよりも、奈緒が愚かしくも精一杯の仕方で社会と対決しながら築いた小さな殻の中で大切に守ってきた母への愛よりも、そして晶の「初恋」よりも、これら3人の「想い」がかくも圧倒的に強い、というのはあまりといえば理不尽ではなかったでしょうか。母への愛の断絶を乗り越えて手に入れたずいぶんとワイアードでエキセントリックな気持ちのおかげで突如清姫に匹敵するほど巨大強大なチャイルドを手に入れるに至った(1分にも満たない短時間だけでしたが)元クールビューティーなどという阿呆らしい例もあることですから、ねじれた愛こそ真の愛、というのが作品のメッセージだったのかもしれません。

いや、舞衣には(なつきにも)自らの本当の想いに対する気付きがあったではないか、だからこそ黒曜の君の予測を裏切ってカグツチを御し続けるることができた(し、デュランは復活した)のだ、という考え方は、命が舞衣の気持ちを信じられなくなり迷走を始めてからも、むしろ、命自身も薄々気付いているところの、作り物らしい兄への想いが支配的になってからの方が、戦闘能力が上がっているように思われる点によって説得力を失います(命が言うように黒曜の君の力でそれが実現できるなら、わざわざ手の込んだ悲劇を演出することはありません。黒曜の君は、自分の意のままになると分かっている命を静留のように使って、カグツチ以外のチャイルドをことごとく討たせてしまえばよいのですから)。いっそ、戦姫の神事はどのチャイルドを手にするかで細かいところまであらかじめ勝敗の決まっている完全な出来レース?である(カグツチを手にしたものが勝者、という部分だけは、どうやら始めから決まっている設定だったようですが)、という説明であれば、それでも戦って想い人の命を(ある意味、無駄に)消費しなければならない悲劇、という楽しみ方もできたのでしょうが。

何はともあれ、祭?は終わりました。この作品のことは、努めて頭から追い払いたいと思います。

3/12/2005 本日のメジャー(?)

漫画の主人公とミズノが契約 野球用具を独占提供〜アサヒ・コム

まあ、アニメの方には”まったく”影響しないでしょうけれども。

3/10/2005 激動のもう2回休み

ごめん教授…でも、ほめてくれるよね…
舞-HiME 第23話「愛情と友情、非情」

深優復活という反則技(突き抜けすぎの奇策)も飛び出し、いやが上にも盛り上がってきている…はずですが、どうもそのように思えないのは、先延べし(残し)すぎた対決を一気に解決(むしろ、整理)するために、対決1回分の描写密度が低くならざるを得ないためでしょうか。規定のプロットをただ消化しているだけ、という展開をここへ来て1話丸ごとやられるのは、やや辛いものです。

シアーズ財団と一番地(名目上の支配者らしい老婆たち、黒曜の君たる黎人と現在は彼にかしずいているらしい凪、そして真白、小悪党らしい最期を遂げた石上など、一番地と呼んでひとくくりにできるほど一枚岩とは到底言えないようですが)の関係、同じく一番地となつきの関係、さらにはチャイルド化したミロクに(そもそも、ミロクは命の呼びかけに応じてどこからでも飛んでくる獣の槍のような代物なので、エレメントとチャイルドの中間的な性質なのかもしれませんが)あっさり倒される愕天王、静留のこれまでの思わせぶりな言動と突然沸き起こった狂気(静留も操作されているのか?)などなど、描写なしに納得するのは難しい疑問が大量に残されています。「媛星の力を手に入れるためには、最後まで勝ち残ったHiMEが黒曜の君の妻になる必要がある」ことが明らかになった回に、舞衣をあえてほとんど動かさない構成はなかなかですが、その他の部分とのバランスは大きく崩れてしまっています。黒曜をはさんだ舞衣と命の対決、それぞれが「大切なもの」に抱く非常にねじれた思い、そこに今回登場の反則技が盛大にからむ、というメインストリームは見えてきましたが、今話から予感される限りそれ以外の部分はある程度切り捨てられるのかもしれません。シアーズの手の者から母親に関する情報を得たとたんにチャイルドを呼べなくなったなつき(誰が思い人なのか自分でもよく分からない状態の舞衣はカグツチをびゅんびゅん出せるのに)は、果たして戦列に復帰できるのだろうか?

命に敗れた碧が意識を失う前につぶやいた言葉は、やはり他のHiMEとは一線を画したものでした。個人として最悪の事態に臨んで碧が(表面上は)取り乱すことがなかったのは、HiMEに関する調査研究の過程で、その運命に向き合う覚悟がすでにできていたと考えるべきなのでしょう。教授についての描写を最小限にとどめていたのが、大きな違和感を伴わずに碧の性格描写を一貫したものとするのに功を奏しています。こうした演出上の配慮がここ数回の構成にも向けられていれば、もう少し違った脚本になっていたのではないでしょうか…。

ところで、一般に大学の教員に対して学生や助教授助手以下の職員が「教授」と呼びかけることはまれなのではないでしょうか。やはり「先生」では。


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